最近・現在の活動

最終更新日:2018年11月23日


<<例会(研究発表会)関連>>

本研究会では、年3回(5月・9月・12月)に例会(研究発表会)を行っております。

次回(第97回)例会の詳細が決まりましたのでお知らせします。

第97回例会(研究発表会)

日時

2018年12月15日(土)13:30 ~ 17:00(予定)

場所

京都外国語大学4号館5階452教室
[Tel. 075-322-6012: 総務部]

(いつもと会場が異なりますのでご注意ください)

交通アクセスの地図はこちらへどうぞ

例会プログラム


・印刷される方はこちらへどうぞ
(PDF版の案内状はこちらへ)

研究発表1

題目:J.F.ハイナッツの正音法―18世紀のドイツにおける音声分析の試み―

発表者:森村 采未 氏(大阪市立大学大学院生)

[発表要旨]

 18世紀はドイツ語の規範化について多くの文法家たちが議論を重ねた時代である。 しかしながら、その議論の中心はもっぱら正書法の統一であり、発音の統一(正音法) についてはほとんど議論されなかった。
 そのような時代背景の中、ドイツ北部の文法家であるJ.F.Heynatz (1744-1809) が試みた音声分析は非常に興味深い。彼の代表的著作『学校授業で用いるドイツ語文典』 Deutsche Sprachlehre zum Gebrauch der Schulen (1. Aufl. 1770/5. Aufl. 1803)には正書法とともに正音法の規則が記述されており、ハイナッツは当時の正書 法中心の言語規範を確立しようとした文法家に比べて、独創的な規範意識を持った人物 であった。本発表ではほとんど歴史の表舞台には現れないハイナッツの人物像について 触れながら、彼の著作の中からいくつか正音法の事例を挙げて彼が目指した統一的(標 準的)ドイツ語の規範について説明し、ハイナッツが歴史に何を残したかについて論じ てみたい。


研究発表2

題目:強調の副詞を用いた応答によるスタンス表出
―日本語の質問-応答連鎖中の副詞「もう」を例として―

発表者:増田 将伸 氏(京都産業大学)

[発表要旨]

 会話中で質問を受けた応答者は、質問に答える際に間投詞や副詞を用いて「質問が予 想外のものだった」「質問の前提が誤っている」「質問の要求に適合する形で応答するの は難しい」などのスタンスを表出することがある。
 本発表では、欧米語の先行研究を引用しながら、日本語の質問-応答連鎖で応答者が 強調用法の副詞「もう」を用いて表出するスタンスを会話分析の手法により検討する。 強調によって「質問者の想定と自分の応答に隔たりがある」スタンスが表出され、それ が「質問者の想定より詳しい内容を語る」「質問者の想定に反して語ることがない」と いう両極端の応答に結びついていることを示す。


研究発表3

題目:インド・ヨーロッパ祖語動詞組織研究の今

発表者:齋藤 治之 氏(京都大学)

[要旨]

 インド・ヨーロッパ祖語の動詞組織に関する研究は20世紀に至り、ヒッタイト語お よびトカラ語の発見により、その様相が大きく変化したが、現在の動詞組織研究の基礎 となっているのはアメリカの比較言語学者C.Watkinsによるヒッタイト語の語形を基 礎に据えた祖語の最古の段階に想定される*ghwene/o- (語根 *gwhen “schlagen”) のような語幹の形である。彼はこの名詞類的な語幹が、I (thematisch), II (athematisch) に分割した後さらにIIaとしてのo-Stufe による完了語幹さらIIaか らIIb としてSchwundstufe(= oxyton: -ó/é)とe-Stufe (= baryton: -o/e) の 一般化されたathematisch な中動態語幹が成立したという図式を想定している。 H.Rixはインド・ヨーロッパ祖語には能動・中動と並んで第3のカテゴリーとしての Stativが存在したという説を展開している。M.Kümmelは従来暗黙のうちに同一視さ れていたStativとPerfektの人称語尾の差異を想定し、さらにPerfektが、“先行する 動作の完了の結果としての主語の状態”という“主語の状態”(=Stativの語尾によっ て表される)と“完結した動作・過程(=語頭音重複によって表される)”という二つの意 味の複合から成り立っていることから、Perfektが重複音節を有するStativであると いう説を提唱している。この説を受けて、近年、過去50年の諸説を集大成するものと してA.Williによる『Origins of the Greek Verb (Cambridge 2018)』が出版され た。Williはその中でCe-CoRC : CoRCにおける重複音節の有無による完結・使役 vs. 非完結・非使役という意味の対立を提唱している。一方、トカラ語にはCe-CeRCとい う語幹構造に遡るB śaśärs ‘ließ wissen’(< *ke-kers-)のような使役過去形が存在 するが、従来この語幹の動詞組織における地位について指摘した研究者は一人もいない。 本発表ではトカラ語に見られるCe-CeRCという語幹がCe-CoRC : CoRCと並ぶCe- CeRC (使役アオリスト): CeRC (語根アオリスト)というペアーを形成する可能性があ ることを指摘するつもりである。



事前のお申し込みは必要ございません。

会員でなくても参加できますので、

初めての方もご遠慮なくお越しください。


<<会誌関連>>

本研究会では年1回

『Sprachwissenschaft Kyoto』

を発行し、例会(研究発表会)での発表要旨および会員の研究成果等を掲載しております。その内容について詳しくお知りになりたい方は こちらをご覧ください。

お知らせ

2002年より『京都ドイツ語研究会会報』は

『Sprachwissenschaft Kyoto』

という会誌名に改められました。

最新刊、会誌第17号(2018年)は2018年5月31日に発行いたしました。

『京都ドイツ語研究会会報』(第1号~第15号)についてはこちらをご覧ください。

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